主 催 中日新聞社 |
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後 援 岐阜県教育委員会 |
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第41回(平成19年度)岐阜審査会(岐阜市) ご報告書 |
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◇ 審 査 員 ◇ |
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審査会委員長 |
山 下 勝 現・名古屋芸術大学、金城学院大学 各非常勤講師・ピアニスト |
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土屋佳都恵(和江)現・岐阜保健短期大学、岐阜音楽院長、元・聖徳学園女短大、他講師 |
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高橋 雅子 現・名古屋芸術大学ピアノ演奏学科、県立加納高校音楽科
各非常勤講師 |
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菱田 啓子 ピアニスト・中日ピアノグレードテスト常任審査員 |
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国枝 直子 現・名古屋音楽学校講師、元・名古屋芸術大学講師 |
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川 口 豊 現・東海学院大学教授、中日ピアノグレードテスト実行委員会会長 |
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以上および 審査責任者:土屋実記朗(本テスト創設者、元・尚美学園学長室参与) |
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◇ 今回の参加者をご指導くださった先生方のお名前 ◇ (50音順敬称略)
・井浦 裕子 ・五十嵐陽子 ・井上登史子 ・太田 茎子 ・大津かおり ・小川 裕美
・小山田紀久子 ・神谷理恵子 ・金子 孝子 ・粥川 圭子 ・国枝 直子 ・近藤亜由美
・篠田 亜紀 ・鈴木 由美 ・高橋 紫帆 ・高橋 雅子 ・武智 有規 ・田戸悠実恵
・土屋 尚代 ・土屋佳都恵 ・土屋実記朗 ・寺井久美子 ・徳留唆枝子 ・永島真由美
・丹羽 宏子 ・野々山彰彦 ・長谷川 淳 ・服部 志津 ・萼 富美子 ・古田 洋子
・星野いずみ ・松井日出子 ・松野 弘子 ・三浦 弘子 ・道下 香奈 ・武藤裕美子
・安田佳代子 ・安田 直美 ・安田みどり ・横山 京子 ・吉見三矢子 ・渡辺奈緒美
・他2名
表1−1 【課題曲】 ・学齢別・成績優秀者一覧表 (* 進度優秀者を含む)
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
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1−A 高橋 佳子(年中)・初 |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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1−A 鈴木 夏海(年長)・初 1−A 木野 李泉(年長)・初 |
1−A 田島梨々夏(年長)・初 1−A 八十田茉里(年長)・初 |
1−A 神谷 鷹汰(年長)・初 1−A 飯沼 優香(年長)・初 |
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4−A 廣瀬 彩乃(小1)・初 1−C 澤井 美咲(小1)・初 1−A 永井 あみ(小1)・初 |
2−C 沖本 珠依(小1)・2 1−B 向田 日奈(小1)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
2−A 國島 優那(小1)・初 1−A 高原 怜亜(小1)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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3−B 五十嵐野恵(小2)・2 3−A 青木菜津美(小2)・3 2−A 大川 千晴(小2)・2 1−B 柿内 彩李(小2)・初 |
3−B 中村 桃子(小2)・3 2−C 山内 瑞穂(小2)・2 1−C 日比野星来(小2)・初 1−B 安江菜々子(小2)・初 |
3−A 六反田 桃(小2)・初 2−C 渡辺 一真(小2)・2 1−B 杉山 恵未(小2)・初 1−A 大石 明広(小2)・初 |
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6−C 鈴木奈美花(小3)・4 4−A 土屋誌緒里(小3)・4 2−C 臼井 綾花(小3)・3 2−B 縣 諄 (小3)・4 |
6−C 折戸 文香(小3)・5 3−B 下坂 里咲(小3)・4 2−C 辻田 瑞稀(小3)・2 2−A 道家 万智(小3)・初 |
4−A 亀山奈那子(小3)・初 3−A 伊藤 紅葉(小3)・3 2−C 青木 海都(小3)・4 1−A 西村 綺萌(小3)・初 |
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4−A 六反田 緑(小4)・初 3−C 渡辺 真衣(小4)・4 2−C 神谷 実希(小4)・2 2−A 加納 里紗(小4)・2 |
4−A 長瀬 隼大(小4)・4 3−B 中田有梨亜(小4)・初 3−B 八木 茉凛(小4)・2 2−C 寺下 彩香(小4)・初 |
3−C 國島 菜那(小4)・3 3−B 玉木 友佳(小4)・2 2−B 杉山 真由(小4)・3 1−C 古川 梨央(小4)・2 |
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7−B 津川まりな(小5)・7 5−C 栗田 瞳(小5)・2 3−B 奥村 碧唯(小5)・5 3−A 大石理紗子(小5)・3 |
6−A 稗田百合加(小5)・4 5−B 真鍋 幸(小5)・3 3−C 春山 結香(小5)・初 2−A 赤塚 史歩(小5)・3 |
5−C 永田和香奈(小5)・5 4−B 山口 莉穂(小5)・初 3−B 須原江美子(小5)・初 3−A 矢口 紗椰(小5)・4 |
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16 宮里 倫史(小6)・5 5−A 矢島 綾花(小6)・2 |
5−C 金子 奈央(小6)・5 3−B 浅野由佳里(小6)・4 |
4−A 桂川美母都(小6)・初 2−C 呉岡 祐季(小6)・2 |
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16 高比良 遥(中1)・4 7−B 野口 叶(中1)・7 5−C 長瀬 汐里(中1)・7 |
11−A 佐々木ゆり(中1)・2 6−A 大島ひかる(中1)・2 5−C 松原久弥子(中1)・8 |
7−C 上野 春香(中1)・初 6−A 熊崎 礼音(中1)・2 3−B 信田 美月(中1)・5 |
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6−A 山口 萌絵(中2)・初 2−C 福井 綾香(中2)・3 |
5−B 家田 阿美(中2)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
4−A 永井 杏奈(中2)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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16 折戸 仁美(中3)・10 5−B 山田 育華(中3)・6 |
7−B 篠田真由子(中3)・2 4−B 加治佐友紀菜(中3)・5 |
5−C 水谷有里紗(中3)・5 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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16 今村 洋平(高2)・3 |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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11−A 小川 里恵(高3)・初 |
9−A 井戸 絢美(高3)・8 |
6−B 熊谷 美穂(高3)・2 |
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6−A 杉浦茉奈美(大1)・初 |
16 縣 友里恵(大2)・10 |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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16 藤田 典人(成人)・初 9−A 末永あざみ(成人)・初 |
16 長瀬 朋子(成人)・初 9−A 礒部 真未(成人)・5 |
12−B 伴 聡美(成人)・9 5−A 柳井 恵(成人)・初 |
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表2−1 【自由曲】 ・学齢別・成績優秀者一覧表 (* 進度優秀者を含む)
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
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1−A 高橋 佳子(年中)・初 |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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1−A 鈴木 夏海(年長)・初 1−A 木野 李泉(年長)・初 |
1−A 田島梨々夏(年長)・初 1−A 八十田茉里(年長)・初 |
1−A 神谷 鷹汰(年長)・初 1−A 藤村 直人(年長)・初 |
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4−A 廣瀬 彩乃(小1)・初 1−A 永井 あみ(小1)・初 1−A 八木 佑蘭(小1)・初 |
2−C 沖本 珠依(小1)・2 1−A 澤井 美侑(小1)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
1−C 澤井 美咲(小1)・初 1−A 高原 怜亜(小1)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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3−B 五十嵐野恵(小2)・2 3−A 青木菜津美(小2)・3 2−A 大川 千晴(小2)・2 1−B 安江菜々子(小2)・初 |
3−B 中村 桃子(小2)・3 2−C 山内 瑞穂(小2)・2 1−C 日比野星来(小2)・初 1−A 横山 民斗(小2)・初 |
3−A 六反田 桃(小2)・初 2−C 渡辺 一真(小2)・2 1−B 柿内 彩李(小2)・初 1−A 篠田 梨沙(小2)・初 |
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6−C 鈴木奈美花(小3)・4 4−A 土屋誌緒里(小3)・4 2−C 臼井 綾花(小3)・3 1−B 服部 里奈(小3)・初 1−A 西村 綺萌(小3)・初 |
6−C 折戸 文香(小3)・5 3−A 伊藤 紅葉(小3)・3 2−C 辻田 瑞稀(小3)・2 1−B 野村 梨穏(小3)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
4−A 亀山奈那子(小3)・初 2−C 青木 海都(小3)・4 2−A 道家 万智(小3)・初 1−B 向田 文也(小3)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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4−A 六反田 緑(小4)・初 3−C 渡辺 真衣(小4)・4 3−B 辻 奈歩(小4)・4 2−C 神谷 実希(小4)・2 |
4−A 長瀬 隼大(小4)・4 3−B 中田有梨亜(小4)・初 2−C 寺下 彩香(小4)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
3−C 國島 菜那(小4)・3 3−B 玉木 友佳(小4)・2 2−C 道家 千尋(小4)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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7−B 津川まりな(小5)・7 5−C 栗田 瞳(小5)・2 3−C 春山 結香(小5)・初 3−A 大石理紗子(小5)・3 |
6−A 稗田百合加(小5)・4 5−B 真鍋 幸(小5)・3 3−B 加治佐明里(小5)・4 3−A 矢口 紗椰(小5)・4 |
5−C 永田和香奈(小5)・5 4−B 山口 莉穂(小5)・初 3−B 須原江美子(小5)・初 2−A 渡辺 祐里(小5)・3 |
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16 宮里 倫史(小6)・5 5−A 矢島 綾花(小6)・2 3−B 浅野由佳里(小6)・4 |
6−C 古市 明里(小6)・6 4−A 今井 達也(小6)・5 3−A 藤吉記士麻(小6)・初 |
5−C 金子 奈央(小6)・5 3−C 越野 智子(小6)・6 2−C 呉岡 祐季(小6)・2 |
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16 高比良 遥(中1)・4 7−B 野口 叶(中1)・7 5−C 長瀬 汐里(中1)・7 |
11−A 佐々木ゆり(中1)・2 6−A 大島ひかる(中1)・2 4−B 辻 実里(中1)・6 |
7−C 上野 春香(中1)・初 6−A 熊崎 礼音(中1)・2 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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6−A 山口 萌絵(中2)・初 4−A 永井 杏奈(中2)・初 |
6−A 縣 遼 (中2)・7 16 折戸 仁美(中3)・10 |
5−B 家田 阿美(中2)・初 7−B 篠田真由子(中3)・2 |
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7−A 神谷奈菜絵(高1)・3 |
5−C 倉又麻貴子(高1)・2 |
16 今村 洋平(高2)・3 |
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11−A 小川 里恵(高3)・初 |
9−A 井戸 絢美(高3)・8 |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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6−A 杉浦茉奈美(大1)・初 |
16 縣 友里恵(大2)・10 |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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16 藤田 典人(成人)・初 |
16 長瀬 朋子(成人)・初 |
5−A 柳井 恵(成人)・初 |
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表3−1 【総得点】 ・学齢別・成績優秀者一覧表 (* 進度優秀者を含む)
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
グレード・名 前・(学齢)・回数 |
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1−A 高橋 佳子(年中)・初 |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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1−A 鈴木 夏海(年長)・初 4−A 廣瀬 彩乃(小1)・初 3−B 五十嵐野恵(小2)・2 6−C 鈴木奈美花(小3)・4 4−A 土屋誌緒里(小3)・4 4−A 六反田 緑(小4)・初 7−B 津川まりな(小5)・7 5−C 栗田 瞳(小5)・2 16 宮里 倫史(小6)・5 |
1−A 田島梨々夏(年長)・初 2−C 沖本 珠依(小1)・2 3−B 中村 桃子(小2)・3 6−C 折戸 文香(小3)・5 3−A 伊藤 紅葉(小3)・3 4−A 長瀬 隼大(小4)・4 6−A 稗田百合加(小5)・4 5−B 真鍋 幸(小5)・3 5−C 金子 奈央(小6)・5 |
1−A 神谷 鷹汰(年長)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 3−A 六反田 桃(小2)・初 4−A 亀山奈那子(小3)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 5−C 永田和香奈(小5)・5 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 5−A 矢島 綾花(小6)・2 |
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16 高比良 遥(中1)・4 7−B 野口 叶(中1)・7 5−C 長瀬 汐里(中1)・7 6−A 山口 萌絵(中2)・初 16 今村 洋平(高2)・3 16 縣 友里恵(大2)・10 16 藤田 典人(成人)・初 |
11−A 佐々木ゆり(中1)・2 6−A 大島ひかる(中1)・2 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 16 折戸 仁美(中3)・10 11−A 小川 里恵(高3)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 16 長瀬 朋子(成人)・初 |
7−C 上野 春香(中1)・初 6−A 熊崎 礼音(中1)・2 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 7−B 篠田真由子(中3)・2 9−A 井戸 絢美(高3)・8 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 12−B 伴 聡美(成人)・9 |
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表4 高得点取得順・成 績 上 位 者 一 覧 表
課題曲(練習曲) グレード・名 前・(学齢)・回数 |
自 由 曲 グレード・名 前・(学齢)・回数 |
総 得 点 グレード・名 前・(学齢)・回数 |
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3−C 春山 結香(小5)・初 6−A 山口 萌絵(中2)・初 4−A 六反田 緑(小4)・初 6−A 大島ひかる(中1)・2 16 高比良 遥(中1)・4 16 縣友里恵(大2)・10 2−C 呉岡 祐季(小6)・2 3−A 六反田 桃(小2)・初 3−B 五十嵐野恵(小2)・2 4−A 長瀬 隼大(小4)・4 16 宮里 倫史(小6)・5 4−A 亀山奈那子(小3)・初 5−C 長瀬 汐里(中1)・7 6−C 鈴木奈美花(小3)・4 4−A 永井 杏奈(中2)・初 7−B 篠田真由子(中3)・2 4−B 山口 莉穂(小5)・初 5−A 矢島 綾花(小6)・2 6−A 熊崎 礼音(中1)・2 1−A 鈴木 夏海(年長)・初 |
3−C 春山 結香(小5)・初 16 高比良 遥(中1)・4 4−A 六反田 緑(小4)・初 3−A 六反田 桃(小2)・初 16 宮里 倫史(小6)・5 7−B 篠田真由子(中3)・2 4−B 山口 莉穂(小5)・初 16 縣友里恵(大2)・10 6−A 大島ひかる(中1)・2 3−B 五十嵐野恵(小2)・2 4−A 亀山奈那子(小3)・初 4−A 永井 杏奈(中2)・初 6−A 山口 萌絵(中2)・初 2−C 辻田 瑞稀(小3)・2 2−C 呉岡 祐季(小6)・2 16 今村 洋平(高2)・3 4−A 永井 杏奈(中2)・初 4−A 長瀬 隼大(小4)・4 6−C 鈴木奈美花(小3)・4 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
16 高比良 遥(中1)・4 3−C 春山 結香(小5)・初 16 宮里 倫史(小6)・5 4−A 六反田 緑(小4)・初 6−A 山口 萌絵(中2)・初 16 縣友里恵(大2)・10 3−A 六反田 桃(小2)・初 7−B 篠田真由子(中3)・2 6−A 大島ひかる(中1)・2 4−A 亀山奈那子(小3)・初 4−B 山口 莉穂(小5)・初 6−C 鈴木奈美花(小3)・4 2−C 呉岡 祐季(小6)・2 3−B 五十嵐野恵(小2)・2 4−A 長瀬 隼大(小4)・4 1−A 鈴木 夏海(年長)・初 4−A 永井 杏奈(中2)・初 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ |
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第41回・中日ピアノグレードテスト・岐阜審査会での感想、その他
審査委員長 山 下 勝(名古屋芸術大学、金城学院大学 各非常勤講師)
参加者の皆さん方、たいへんお疲れさまでした。
今回は、幼児から一般の方まで幅広い参加で大変楽しく聴かせていただきました。
それぞれの部門の感想と講評は、部門ごとに分けて「審査員講評のページ」に書かせていただきます。
先ず、全体を通して言えることは、まず音楽を楽しんでいただきたいということです。
確かに練習は辛いこともありますが、そこを通して出て来た物は人々を感動させるもの、また自分でも弾いてい
音るに感動できる物であると思います。
私自信も自分で弾きながら、時々このようなすばらしい音楽に接していられることの喜びと感動を感じています。
それを聴かれている方がどのように感じているのかは別として、まず自分で音楽に感動すること、ピアノを弾け
る喜びを感じることが大切だと思います。練習のときでさえそれを感じてみてください。
最初にピアノを触ったときの感動をいつも思い出してください。自分が感動しない音楽では聴いている人は、
ぜったい感動しないと思います。
その上でどのように音楽を作っていったらよいのか、またそのためにはどのように弾けばよいのか、どのような
テクニックがいるのか、など先生に相談をして、教えてもらい、上達をしていくものだと思います。
ピアノのテクニックは教えることはできても、音楽の本質はなかなか教えてわかる物ではないと思います。
みなさんは、ピアノの音楽はもちろん、いろいろな音楽に興味を持ち聴いてください。
ピアノの入った室内楽、また弦楽四重奏、交響曲、歌劇、歌曲などまた、ルネッサンス、バロックから現代まで
いろいろの時代の音楽、あらゆる物に興味を持って聴いてみてください。ピアノ音楽は、その膨大な音楽の中の
ほんの一部にすぎません。また絵画、文学などあらゆる芸術に興味をもって感性を高めていってもらいたいと思
います。日常の中にも感動する物がいっぱい見えてくると思います。
ある知人が「視差」という言葉を使っていました。
それに気がつくかどうかによって生み出される物は無限大もの大きさの差となって出てくると〜………!
感性を高めよりよい音楽を作っていってください。中部地方は近年経済的にも文化的にも、もっとも注目を集め
ている地域です。ピアノに限っても質量とも全国有数のハイレベルを誇ります。それらは全て、この地域のピア
ノ学習者の意欲、ご家庭の協力、そして何よりピアノ指導者の有り余る情熱が最大の理由からなのでしょう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
表5. 学齢別・進 度 優 秀 者 一 覧 表
グレード 名 前 学齢・回数 ・練習曲番号 ・曲名・作曲者 |
1−A |
高橋 佳子 |
(年中)1 |
49 |
ちょうちょ・ドイツの歌 |
1−A |
藤村 直人 |
(年長)1 |
45 |
はちがとぶ・メトードローズより |
1−A |
神谷 鷹汰 |
(年長)1 |
49 |
おいかけごっこ・土屋実記朗 |
1−A |
木野 李泉 |
(年長)1 |
47 |
あめあがり・シュミット |
1−A |
飯沼 優香 |
(年長)1 |
46 |
かっこう・ドイツのうた |
1−A |
八十田茉里 |
(年長)1 |
49 |
フランスの子供のうた・ベーア |
1−A |
田島梨々夏 |
(年長)1 |
45 |
こぎつね・ドイツ民謡 |
1−A |
鈴木 夏海 |
(年長)1 |
51 |
森のパーティー・田丸信明 |
4−A |
廣瀬 彩乃 |
(小1)1 |
1 |
ソナチネ(Op.36-3)第1楽章・クレメンティ |
2−C |
沖本 珠依 |
(小1)1 |
102 |
小さな歌・カバレフスキー |
2−A |
國島 優那 |
(小1)1 |
83 |
メヌエット(Kv.2)・モーツァルト |
1−C |
澤井 美咲 |
(小1)1 |
66 |
ドイツ舞曲・モーツァルト |
3−B |
五十嵐野恵 |
(小2)2 |
48 |
タランテラ・ブルグミュラー |
3−B |
中村 桃子 |
(小2)3 |
67 |
あまい嘆き・ブルグミュラー |
3−A |
六反田 桃 |
(小2)1 |
19 |
ソナチネ(Op.55-1)第2楽章・クーラウ |
3−A |
青木菜津美 |
(小2)3 |
51 |
清い流れ・ブルグミュラー |
2−C |
渡辺 一真 |
(小2)2 |
101 |
ガボット・フランス民謡 |
2−C |
山内 瑞穂 |
(小2)2 |
103 |
ト調のメヌエット・ベートーヴェン |
6−C |
鈴木奈美花 |
(小3)4 |
21 |
ソナタ(Kv.280)第3楽章・モーツァルト |
6−C |
折戸 文香 |
(小3)5 |
18 |
ソナタ(Kv.330)第1楽章・モーツァルト |
4−A |
亀山奈那子 |
(小3)1 |
5 |
小さな黒人・ドビュッシー |
4−A |
土屋誌緒里 |
(小3)5 |
3 |
貴婦人の乗馬・ブルグミュラー |
3−B |
下坂 里咲 |
(小3)4 |
69 |
やさしい花・ブルグミュラー |
3−A |
伊藤 紅葉 |
(小3)3 |
45 |
せきれい・ブルグミュラー |
4−A |
六反田 緑 |
(小4)1 |
1 |
かっこう・ダカン |
4−A |
長瀬 隼大 |
(小4)4 |
88 |
エリーゼのために・ベートーヴェン |
3−C |
國島 菜那 |
(小4)3 |
65 |
ロンド(Op.168)・ディアベルリ |
3−C |
渡辺 真衣 |
(小4)4 |
84 |
天使の声・ブルグミュラー |
3−B |
中田有梨亜 |
(小4)1 |
50 |
ソナチネ(Op.36-3)・クレメンティ |
3−B |
玉木 友佳 |
(小4)2 |
48 |
清い流れ・ブルグミュラー |
3−B |
辻 奈歩 |
(小4)4 |
67 |
前進(進歩)・ブルグミュラー |
3−B |
八木 茉凛 |
(小4)2 |
46 |
勇敢な騎士・シューマン |
7−B |
津川まりな |
(小5)7 |
32 |
ソナタ(Kv.332)第1楽章・モーツァルト |
6−A |
稗田百合加 |
(小5)4 |
3 |
ソナタ(Op.49-2)第1楽章・ベートーヴェン |
5−C |
永田和香奈 |
(小5)5 |
27 |
グラドゥス・アド・パルナッスム博士・ドビュッシー |
5−C |
栗田 瞳 |
(小5)2 |
28 |
ソナチネ(Op.36-6)・クレメンティ |
5−B |
真鍋 幸 |
(小5)3 |
24 |
パレード マーチ・リヒナー |
4−B |
山口 莉穂 |
(小5)1 |
12 |
ワルツ・エチュード・ギロック |
4−A |
沖本 翔太 |
(小5)2 |
2 |
サラバンド・ヘンデル |
16 |
宮里 倫史 |
(小6)5 |
10−4 |
流 星・草野次郎 |
6−C |
古市 明里 |
(小6)6 |
18 |
つむぎ歌・ブルグミュラー |
5−C |
金子 奈央 |
(小6)5 |
27 |
マーチ(Op.109-17)・ブルグミュラー |
5−A |
矢島 綾花 |
(小6)2 |
17 |
ソナタ(Kv.545)第1楽章・モーツァルト |
16 |
高比良 遥 |
(中1)4 |
10−5 |
ソナタ(Op.13)第1楽章・ベートーヴェン |
11−A |
佐々木ゆり |
(中1)2 |
17 |
幻想曲(Op.28)・メンデルスゾーン |
7−C |
上野 春香 |
(中1)1 |
40 |
ソナタ(Op.14-1)第1楽章・ベートーヴェン |
7−B |
野口 叶 |
(中1)7 |
31 |
ソナタ(Kv.284)第1楽章・モーツァルト |
6−A |
大島ひかる |
(中1)2 |
6 |
ソナタ(Kv.309)第1楽章・モーツァルト |
6−A |
熊崎 礼音 |
(中1)2 |
3 |
幻想小曲集(Op.12)第2曲「飛翔」・シューマン |
5−C |
長瀬 汐里 |
(中1)7 |
27 |
渚のアデリーヌ・センヌヴィル他 |
5−C |
松原久弥子 |
(中1)8 |
28 |
ソナタ(Kv.330)第2楽章・モーツァルト |
6−A |
山口 萌絵 |
(中2)1 |
8 |
ソナチネ・第3楽章・ラベル |
6−A |
縣 遼 |
(中2)7 |
5 |
ソナタ(Kv.279)第1楽章・モーツァルト |
16 |
折戸 仁美 |
(中3)10 |
10−5 |
ソナタ(Op.81a)終楽章・ベートーヴェン |
16 |
山本紗友理 |
(中3)2 |
10−5 |
ソナタ(Op.13)第1楽章・ベートーヴェン |
7−B |
篠田真由子 |
(中3)2 |
33 |
「ピアノのために」より、プレリュード・ドビュッシー |
7−A |
神谷奈菜絵 |
(高1)3 |
29 |
飛翔(Op.12-2)・シューマン |
16 |
今村 洋平 |
(高2)3 |
10−12 |
幻想即興曲(Op.66)・ショパン |
11−A |
小川 里恵 |
(高3)1 |
20 |
ソナタ(Op.81a)第3楽章・ベートーヴェン |
9−A |
井戸 絢美 |
(高3)8 |
1 |
ソナタ(Op.10-3)第1楽章・ベートーヴェン |
6−A |
杉浦茉奈美 |
(大1)1 |
7 |
「心の喜びは失せ」の変奏曲・ベートーヴェン |
16 |
縣 友里恵 |
(大2)10 |
25−12 |
ファンタジー(Op.77)・ベートーヴェン |
16 |
藤田 典人 |
(成人)1 |
25−1 |
演奏会用アレグロ・グラナドス |
16 |
長瀬 朋子 |
(成人)1 |
10-12 |
ソナタ(Op.10-3)第1楽章・ベートーヴェン |
12−B |
伴 聡美 |
(成人)9 |
51 |
ソナタ(Op.31-2)終楽章・ベートーヴェン |
9−A |
末永あざみ |
(成人)1 |
3 |
ソナタ(Op.27-2)「月光」・ベートーヴェン |
9−A |
礒部 真未 |
(成人)5 |
1 |
華麗なる大円舞曲(Op.18)・ショパン |
5−A |
柳井 恵 |
(成人)1 |
16 |
ソナタ「悲愴」第3楽章・ベートーヴェン |
審査員の講評 山下 勝(第41回・中日ピアノグレードテスト・岐阜審査会委員長) みなさんとてもよく練習されていて好感が持てる演奏でした。1〜2グレードの方々には弾き方の基本が大切です。「音楽は楽しいものだ」ということを忘れないで、初めてピアノに触ったときの感動を忘れないで頑張ってください。初心の段階から次の初歩の段階(3〜4グレード)に達するころになると、とても楽しくなってきた人がいる反面、挫折しそうになっている人も出てきているかもしれません。いろいろな曲が弾けるようになります。楽しみをもっと膨らませ、基礎的なことを忘れずに頑張ってもらいたいと思います。ピアノ以外の多くのことに興味を持ち始めていると思いますので、それらの経験をうまく音楽に活かして欲しいです。 5〜10グレード(中級)になると、チェルニーの練習が大切になります。チェルニーは基本的に古典を弾くためのものだと思いますが、一つひとつの音をよく聞いて、丁寧にその粒を磨いていってください。その一つひとつの音の粒が、綺麗にp(ピアノ)からf(フォルテ)まで出るようになれば、ロマンティックな楽曲を弾くようになった時に、とても豊かな響きが出てくるようになると思います。古典のソナタの場合には、その様式美というものが大切な要素にもなっています。アーティキレーション、フレージングとともに、全体の構成感などまでもを意識した演奏ができるようになれると良いと思います。とうぜんテンポ感も重要な要素になります。 グレード11以上(上級)の人たちにとっては、ロマンティックな曲に取り組みたくなります。でも、増えてきた音が複雑に絡み合ってきますので、その分だけ指のコントロールが難しくなります。それらをコントロールできるテクニックを身につけられれば付けられるほど、多彩な音楽表現が可能になっても来ます。また音色も増え、表現の幅が広がってくると思います。そこにピアノ的なメロディーの歌いまわしが加わり、ピアノ独特の音楽が生まれてくるのでしょう。細かい音までを、いかに粒をそろえて弾くか、ということも大切なことですが、それと同時に表現の幅を広げることも大切なことです。自分なりの音と、その表現力を探求していってください。 土屋佳都恵(和江)(岐阜保健短期大学 非常勤講師、岐阜音楽院長) ご自分が楽しんで歌って弾いている〜………、そんな自然で簡単な音楽表現が出来ることが芳しいですね。 せっかく素晴らしく上手に弾けているのに、息が詰まるような硬さを感じさせられては、感動(同調)出来なくなってしまいます。つまり「音楽」とは関係なくなってしまいます。 「音楽」の素晴らしさに接していただくために、いちばん最初に考えなければならないことは、とにかく「綺麗な音」で、メロディー(旋律)が大河や小川の流れにも似た「自然の流れ」になるように心がけて欲しいことです。譜面上の部分的な記号などにこだわり意識が勝ちすぎたりしますと、どうしても極端な表現になりやすくなってしまいます。 意識的な度を過ぎる不自然(人為的)な弾き方は、「造作物」のように「心と感情」を失ってしまいますので、それぞれの立場で関わっている周りの皆様共々(自戒も込めて)、くれぐれも注意するようにいたしましょう。 参加者の皆さんが空間に漂わせている「音楽」が、日常生活の中から自然に生じる「美しい音」のピアノ練習から出発したものであるように願っています。 国枝直子(第41回・岐阜審査会審査員) 1A〜2Cまでの初心者のクラスの方々では、初回参加者が多かった様子でしたが幼稚園生、小学生と途中とまったり間違えたり、弾きなおしたりする生徒がいませんでした。気がついたことといえば弾くときの姿勢、指の型をもう少し注意すれば、今後ますます楽しみな参加者がたくさんいました。足の踏み台を持参した生徒もいましたが、あまりぶらぶらする子には、どうしても足台は必要だろうとも思いました。 3〜4グレードの初級クラスの方々で、やはり3、4回目又、5、6回目という中学生達の演奏は立派なものでした。逆に少し高学年になって“あがった”のでしょうか。せっかくの立派な演奏が間違えたりしてしまって、ほんとうに「惜しい」と感じさせられた参加者もいました。ツェルニー、ソナチネを弾いた2,3の生徒さん達は素晴らしい演奏でした。今後どのように伸びていくのかが、とても楽しみです。 5〜9グレードのレベルの皆さんは、総体的に良い演奏をされていました。中3生の5,6回参加の生徒さん達は素晴らしく弾けていましたね。他にも7回、8回目の生徒さんもチェルニー40、50番よく弾いていました。 ただ自由曲では、1,2回弾き直してしまったり、曲の頭の出だしを間違えた人は残念に感じられていたでしょう。本当に惜しかったと思いました。次回までには、きっと欠点を是正して、実力を充分に発揮できるようになって参加してくださると信じております。 11グレード以上の上級のレベルになると、小・中学生といえども年齢を感じさせられない堂々とした演奏をしていました。途中で小さなミスタッチが惜しかった人もいましたが、いい音でよく弾いていたと思います。3名も成人の方がいらっしゃいましたが、初参加の方共々素晴らしい演奏でしたね。難曲を立派にこなしていらして、ピアノを楽しんでおられるのを感じさせられました。今後楽しみにしたいです。 今日まで創設者の言う“コツコツと努力する”、“目標に向かって頑張る”、ピアノ演奏者にとって不可欠で当たり前のことは、充分に承知し認識していながら、せっかくの場(ステージ)が与えられていたのを知らなかったのが、とてもとても残念でした。どうしてもエチュード(特にツェルニー的傾向、クラマー、モシュコフスキー)的なものを楽しんでという内容に出来なかったことに今は、後悔の念さえ感じるとともに残念にも思っています。どうぞ関与していらっしゃる参加者並びに指導者の皆さんも、どうぞご一緒に今日の教訓を有意義に活かしていただきながら頑張りたいと思います。 高橋雅子(名古屋芸術大学演奏学科ピアノコース、県立加納高校音楽科 各非常勤講師、元 岐阜音楽院講師) 今回は沢山の参加者でしたが、いつも楽しく聴かせていただいております。毎回ごとに成長している様子や、今回が初めてではあっても真剣に学んでいる様子が判る人などが多かったのには、ますます今後の楽しみも増えた気がいたしました。ただ全体的に感じさせられたのは、エチュードに対しての取り組みに多少の甘さがあるように思いました。たとえ練習曲ではあっても、もう少し音楽的に美しい楽曲として表現して欲しいと感じました。 ピアノという楽器の音は、タッチの工夫次第で、実に多彩な音色を表現できるものなのです。どんな風なタッチで弾いたら、どんな音色が出せるのかと言う点にも細心の配慮と研究を怠らずに、単純にピアノを弾くためのテクニックとしても重ねあげて行って欲しいです。このグレードテストでは、エチュードと自由曲の2曲の演奏が義務付けられています。全く違う性格の音楽である以上、曲間のとり方も、音楽の流れのひとつとして、しっかりと学んでもらえることを望みたい気持ちで一杯です。 菱田啓子(第41回・岐阜審査会審査員) 1〜2グレード(初心者)の段階は、ピアノを始められてまだ間もないと思いますので、いろいろなことが出来ていないのは当然です。ただ先生方はそれぞれの生徒さん達のレベルにあわせて、少しでも美しい音を出そうとする気持ちを持って貰えるようになれると同時に、最初からの基本でもあるタッチや左右のバランスなどまで、一緒になって根気良くお付き合いをして行ってあげて欲しいと思います。(とても大変でしょうが) 3〜4グレード(初級クラス)の皆さんは、理解をしようとする努力もみられ、それなりのお立場で良く弾いていらっしゃったと思います。ピアノを弾くことにも大分慣れて、少し難しい曲でも弾けるようになってくる段階ですが、ピアノに益々興味を持てるようになれるか、それとも嫌いになってやめてしまおうかという最初の分岐点でもあると感じていますので、指導者の方々が上手に導いていってあげて欲しいと思います。 5〜9グレード(中級)レベルになりますと、皆さんとても手馴れてきてお上手になり、指も驚くほどよく動く方が沢山いらっしゃいました。ただ、練習曲は非常に巧みに弾いていたのに、自由曲になると「あれ?」という方が多少見当たったのが不思議でした。モーツァルトやベートーベンの名曲を練習曲の延長のような感覚で弾いてしまわないように、曲としての理解(組み立て)が求められるのは勿論のこと、何よりも音一つ一つを歌いきって弾いて頂きたいと思いました。(フレーズやブレスも、音楽には不可欠な要素です。) グレード11以上(上級)の皆さんは、テクニック的には非常に完成された方が多くて大変に楽しみです。 今後さらに成長するために、タッチ、音楽性、曲の理解、自分自身の人間性を深め高めること等々、ご精進の蓄積のうえに大きく開花していって頂きたいと思います。音楽の道には「満点」などはありません。日々常に研究し続けるお気持も育まれるように希望いたしたいと思っております。 川口 豊(第41回・岐阜審査会審査員、中日ピアノグレードテスト実行委員会会長、東海学院大学教授) ピアノの勉強を始めて間もない人たちの演奏にはいつも驚きの発見があります。どうしてこんなにきれいな音で弾くことができるのだろう、とか、この子はなんて音楽が好きなんだろうとかとてもうれしくなる発見がたくさんあります。総じて、この時期は基本が特に大切です。ピアノを弾くときの姿勢、手の形、身体の使い方等には特に気をつけてあげたいですね。たとえば、必要ならば足台を使うことは大切なことです。そして、楽譜を読む基礎をしっかりと身に付けたいです。もともと子どもは自然に豊かな感性を持っています。湧き出してくる音楽への関心、興味を伸ばしてあげるように導いてあげたいものです。 初級クラスになると、だんだんと思うように引けるようになり、楽しくなる頃ですね。学校や子ども社会の中でも広がりを見せるようになり、いろいろなことに興味を持つようになるでしょう。そうしながらエチュードばかりではなく、いろいろな楽しい曲との出会い、のびのびと弾くことができるとすばらしいですね。音楽をすることはとてもすばらしいこと、そしてピアノという楽器はとても美しい音のでる楽器ということに思いがおよぶようになるといいですね。いつも美しい音で弾こうとしてほしいものです。 中級の皆さんはさらに上を目指されることと思います。どんなにじょうずになってきても、いつも基礎的なことを大切にしてほしいと思います。私たちの身体をどのように使ったらもっとも合理的に曲を弾きこなすことができるようになるかいつも工夫をしてほしいと思います。ツェルニーやクラマーなどのエチュードは必ず練習の目的がはっきりと示されています。その練習目的をよく読みとり、理解し、それにしたがって指のトレーニングをし、さらに音楽性を高めるのです。漫然と指だけを動かしていてはなかなか次に進むことができなくなります。こんなときに壁に当たった感じがするのではないでしょうか。 上級クラスの人たちの演奏もとてもすばらしいものでした。実に指がよく動きます。とてもよく練習されたたまものと思います。いっそうの精進を期待します。でもいったい何を目指して勉強したらいいのでしょうか。とにかく音楽は限りがないものです。常にあらたに目標を見つけて頑張りましょう。ショパンのエチュードは、やはりエチュードだと思います。しかし何のためのエチュードかを特別に理解しなければなりません。決して指が動くことのみを目指すエチュードではありません。こんなに弾けるみなさんは、自分で発見する力を身につけていらっしゃるでしょう。これからも聞かせていただくことを楽しみにしております。 |