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〜 ご報告資料 〜
◇ 審 査 員 ◇

・壁 谷 文 男 ・高 橋 祗 子 ・土 屋 和 江
・野々山彰彦 ・高 橋 雅 子 ・田戸悠実恵
採点運営責任者:土屋実記朗

今回の参加者をご指導くださった先生方のお名前 (五十音順敬称略)

・浅  翠・今村富士江・大林あけみ・小川 裕美・神谷理恵子・粥川 圭子
・北野みちる・倉田佳代子
・黒川 順子・島村裕美子・杉野恵利子・土屋 茎子
・蕚 冨美子・伏
 都・古田 洋子・松居 由江・馬渕 清美・溝口ゆかり
・武藤 真美・安田佳代子・山田満名実・山本 英二・横山由紀美・
その他数名

 




中日ピアノグレードテスト常任審査員
元・尚美学園助教授、東京コンセルヴァトアール尚美 ピアノ部門部長
現:ピティナピアノコンペ全国大会審査員・全国ピアノ指導者協会正会
員専門委員会委員、ピアノ教育総合研究所代表

 第37回「中日ピアノグレードテスト」に参加された方々をはじめ、ご指導された先生方、保護者、その他多くの関係者の皆様のご努力に厚く感謝を申し上げます。
私も当テスト関係者の一人に加えていただけてから久しく、おかげさまで数多くのことを学ばせていただけました。  ピアノに限らず「教育」とは、日常と非日常的なものが相互に・効果的に連携する ことによって、より大きな成長と成果が得られるものと感じています。
これをピアノ教育の分野に当てはめると、日常とは「毎日の練習と定期的なレッスン」 であり、非日常とは「発表会、コンサート、グレードテスト、コンクール」等だと考えられます。 日常の学習状況が良好であれば、非日常的な機会(イベント)で、その成果が自分に満足感を与えてくれるでしょうし、聴く人たちへも感動として伝わるでしょう。一方では、 そのような機会を捕らえて上手に活用できれば、自己目的への刺激や確認としての挑戦にもなり、日常的な堅実的積み上げの重要性を、更に深く知ることにもなるでしょう。
 「日常」たいせつな事は、本人の努力(それほど厳しく考えないでください)、指導者との信頼関係、周りの協力や理解など(良好な学習環境)が必要です。「非日常」では、なによりも「本人の意志」が大切で、すべてに優先されてしまうのは言うまでもありません。が、 優れた楽器、音響施設、良い意味でのライバルなどが挙げられます。
 つぎに、このグレードテストを採点する立場から、参加者みなさんのお手元に届けられる寸評について触れますと、音楽を「点数化」することの難しさです。 実は、不可能にも近いでしょう。しかし、伝達の方法として最善の手段として採用している以上、その困難を承知の上で文面にしてみようと思います。 お断りしておきますが、あくまでも私の採点に対する個人的な考え方であって、すべてでは ありませんのでご承知おき願います。

評価点欄 ⇒ 60〜70 グレードの要求している内容をほぼ学習していると思われる。
しかし、理解と実践が未だ不充分。もしくは一致していない。
理想としては、自分に厳しければ高い(上級)先のグレードに進んでもよいが、 むしろ再挑戦するくらいの気持ちで、いっそうの実力養成(育成)を図るべきが望ましい。
  70〜85 グレードが要求している内容を、充分に学習(習得)している。
技術、表現ともに安定しており、聴き手に良く伝わる内容。
  85〜95 学習レベルを超えて、渾考表現(充分に消化されたうえでの自己表現)の域に達している。
  95以上 その空間を共有する人達に、感動を与える領域に到達している。

最後に、各グレードが求めているモノとは何かを、私なりに抱いている考えに従って、勇気をもって段階的に並べてみました。(とくに先生方にはご配慮を願いたいと思います。)

1.  坐り方、手のフォーム、椅子の高さ、ピアノとの距離等などはピアノ学習者が固めて(マスターして)おく基本的なところです。初歩的な段階での指の動きや、テンポの統一と安定には不可欠。
2.  左右の役割(メロディー、伴奏、リズム)への理解が、無理のない指の独立運動や、手首の動きの定着にも欠かせません。さらに、手首や上体の移動、打鍵の位置、調号への配慮と経験。
3.   左右のバランス実践、細かい指の働かせ方、指先への神経の配慮方法。
4.  広い音域の奏法、和音の性格、パッセージの役割と理解、音楽の構成、フレージング等。

 思っていることや考えられる事々を、聴き手に伝えるために必要な表現能力の徹底をはかる。繊細な音と重厚な音とを弾き分けられる指の動きの徹底。

ディナーミク、音色、音質、響き、などに加えてペダリングの扱いと譜面の深い読み。

さらに上級グレードに到っては、作曲者の意図、作品の時代的背景、目的、形式など様々な要素付加が求められる。


以上のことなどについては(ピアノ学習者や保護者に限らず)、ピアノ指導者を中心にした「指導研修の場」を下記の要領で設定しますので、みなさまのご参加を期待しています。
今回のグレードテストでも、有意義な時間を過ごせました事を感謝して本文を締め括ります。






 下に掲載されている3つの表は、本紙とともにお手元に受験参加の皆様にお送りした「審査・採点メモ」のコピーに記載されている各審査採点者の記入した評価点が集計されたものです。各自の「審査・採点メモ」に明記されています評価点が、下の各欄の数字を上回っている場合には、次回(第38回)審査会までに、次のグレード番号に挑戦ができるようにしてください。 残念ながら、今回は数字が満たなかった人の場合には、メモ欄に記入されている寸評を活用していただければよいと思います。 ご覧のとおりで、各採点者(審査員)によっても数字に差異が生じています。いちばん容易なご判断の方法としては、各欄ごとに記されている右下平均点を一つの基準点としてお考えください。残念ながら今回は下回ってしまわれた人の場合でも、その数字が5点前後であれば問題はありません。しかし、10点以上も隔たりが生じている人の場合には、選択されたグレードなり曲目なりに問題があったものとご理解くださり、日常的な練習方法なりに再検討をして頂きたいです。「審査・採点メモ」の内容についてお判りにならないときは、ご遠慮なく事務局まで、Eメールなりファックスなりでお問い合わせください。ただし、ご本人のみの範囲内に限ります。

【課題曲】/ 審査員

A〜F合計

A〜F平均

合   計

5995

6530

5805

5900

6020

6270

36520

6086.7

平   均

69.71

75.93

67.5

68.6

70

72.91

424.65

70.775


【自由曲】/ 審査員

A〜F合計

A〜F平均

合   計

5995

6595

5855

6115

5975

6360

36895

6149.2

平   均

69.71

76.69

68.08

71.1

69.48

73.95

429

71.502


【総得点】/ 審査員

A〜F合計

A〜F平均

合   計

11985

13175

11680

12015

12005

12655

73515

12252.5

平   均

139.4

153.2

135.8

139.7

139.6

147.2

854.826

142.471